「探偵!ナイトスクープ!」の特番で、
泣けてしまって最後まで読み聞かせたことのない絵本を、
なんとか読みきりたい という依頼がありました。
可愛いママが、うるうるしつつおこちゃまに絵本を読んでいるのを見ながら、こちらもジワッと。。
そして娘たちに、
「お母さん、あの絵本はあかんわ。。」
と、そのあらすじを話し始めるともう涙声(!)。。
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山の中に、一人の赤鬼が住んでいました。
赤鬼は、人間たちとも仲良くしたいと考えて、自分の家の前に、
「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。
おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます。」
と書いた、立て札を立てました。
けれども人間は疑って、誰一人遊びにきませんでした。
赤鬼は悲しみ、信用してもらえないことをくやしがり、
おしまいには腹を立てて、立て札を引き抜いてしまいました。
そこへ、友達の青鬼が訪ねて来ました。
青鬼は、わけを聞いて、赤鬼のために次のようなことを考えてやりました。
青鬼が人間の村へ出かけて大暴れをする。そこへ赤鬼が出てきて、青鬼をこらしめる。
そうすれば、人間たちにも、赤鬼がやさしい鬼だということがわかるだろう、と言うのでした。
しかし、それでは青鬼にすまない、としぶる赤鬼を、
青鬼は無理やり引っ張って、村へ出かけて行きました。
計画は成功して、村の人たちは、安心して赤鬼のところへ遊びにくるようになりました。
毎日、毎日、村から山へ、三人、五人と連れ立って、出かけて来ました。
こうして、赤鬼には人間の友達ができました。赤鬼は、とても喜びました。
しかし、日がたつにつれて、気になってくることがありました。
それは、あの日から訪ねて来なくなった青鬼のことでした。
ある日、赤鬼は、青鬼の家を訪ねてみました。
青鬼の家は、戸がかたくしまっていました。
ふと気がつくと、戸のわきには、貼り紙がしてありました。
そしてそれに、何か字が書かれていました。
「 あかおにくん、
にんげんたちとは どこまでも なかよく まじめに
つきあって、 たのしく くらして いって ください。
ぼくは、しばらく きみには お目に かかりません。
このまま きみと つきあいをつづけていけば、
にんげんは、 きみを うたがう ことに なるかもしれません。
うすきみわるく おもわないでも ありません。
それでは まことに つまらない。
そう かんがえて、 ぼくは これから たびに でる ことに しました。
ながい ながい たびに なるかも しれません。
けれども、ぼくは いつでも きみを わすれますまい。
どこかで またも あう 日が あるかも しれません。
さようなら、きみ、からだを だいじにして ください。
どこまでも きみの ともだち
あおおに 」
赤鬼は、だまってそれを読みました。
二度も三度も読みました。
戸に手をかけて顔を押し付け、しくしくと、なみだを流して泣きました。
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子どもの頃、一番心に残っていたお話ではありましたが、
大人になってからの方が思い入れが強まった気がします。
大好きな人の為に
その人が幸せになる為に
私には何が出来るのだろう
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