心待ちにしていた活動写真の日。
出かける前には朝から降り続いていた雨も上がり、意気揚々とチン電に乗り込みました。
向かうは御陵前に在る臨江寺さん。
開演15分前に到着。
私も! と観覧を希望された
リリーちゃんと偶然お寺の前で遭遇し、
一緒に境内へと。
受付は
繭堂さん。手造りのチャイナベストが麗しい。
主催の
ハピルさんはお着物姿!!
赤と白の市松がとってもモダンでお似合いでした。
(初・活動写真体験で興奮気味だったワタクシ。
素敵な着姿を写真に収め忘れました!ショック。。)
会場となる本堂には、もうすでにたくさんのお客様が。
慌てて空いている席を確保(運良く弁士さんの間近♪)して、
ワクワクと開演を待ちます。
お隣のお席の男性は、20年ほど前、映画館での活動写真をご覧になったことがあり、
今回読売新聞で紹介されていた記事を見つけてやってきた とおっしゃいます。
その時の弁士さんは、すでに80歳を超えていたとのこと。
とっても興味深くお話を伺いながらも、まだかまだかとドキドキ。
ワタクシがどれだけテンパっていたかと申しますと、
本来ならばお客様や会場の様子をパチリと写真に収めるべきところも
今回は全く出来ず。。
それだけテンションが上がるイベントだったというわけでございます。
さて。いよいよ始まり始まり。
颯爽と登場された活動弁士の
小崎泰嗣(こざきたいじ)さん。
オフィシャルな装い。
シルクハットに燕尾服での登場です。
んまぁ。なんて素敵!!
この時点ですでにワタクシの思考回路はショート寸前。。
まずは上映に先立ちまして、ちょっとした解説からしてくださいました。
かいつまんでここでもご説明を。。
******************
一昔前の活動写真と呼ばれていたものは、
「無声映画」に三味線やらクラリネットなどの楽器合わせた
和洋合奏団(わようがっそうだん)の生演奏と、
スクリーンの横で内容の説明やら登場人物のセリフを語る、
活動弁士(かつどうべんし)がついていたもの。
小崎さんのスタイルは、活動弁士 兼 映写技師。
大正~昭和初期に家庭用として売り出された小型の映写機・フィルム
(玩具フィルムと呼ばれるもの)を、お一人で、
映写機を廻し・お話を語り・音楽を流してくださいます。フィルムに対するホンがあるわけでもないので、全て弁士さんのオリジナルストーリー。
映像のスピードも、あらすじも、選曲も。全て小崎さんの手のうちにある ということです。
*******************
真っ暗な中上映が始まります。
5本の上映で約一時間。
ご年配の方から小さなお子さままで。
みんなで目を凝らして、耳をそばだてて、小さなスクリーンに集中。
くすくすと笑い声がもれ、たちまち会場はあったかい空間に。。
今の映画だったら、作品の良し悪しが大きな評価となるべきところですが、
この上映会は、作品の精度云々ではなく、活動写真を観る という一つの目的で
寄り集まった人たちが、ほんわかした気分に包まれる
そこに娯楽としての楽しさを見出す。
それが醍醐味ではないのかなぁ と感じました。
小崎さんの伸びやかな弁士ぶり。
観るも爽やか。聴くも爽やか。
どんな人のココロにもすぅっと染み入る、清廉な芸を観せて頂き、
満足至極でございました。
兎に角この手廻し活動写真、大変素晴らしい。
是非とも皆さまにもご体感頂きたいと思います。
語り過ぎてしまったでしょうか。。
かなりの長文。。しかも文字ばかり。。
惚れ込んだものには見境が付かなくなる性分でして。。シツレイをば。
続きましては上映後の様子。
もちろん小崎さんのお写真も。アリマス
- 関連記事
-